恋の後味はとびきり甘く
みんなの恋が叶うといいな。
目の前のショーケースを覗き込んでいた二十代前半くらいの女性客に、連れの女性客が声をかけた。
「そろそろ行かないと、ショコラ・レーヴの実演が始まっちゃうよ」
「あ、そうだった。イケメンショコラティエが来日してるんだよね」
「そうだよ。ショコラ・レーヴのトリュフもいいけど、あのショコラティエも写真じゃすごくイケてたよ」
「あー、どうしよう。まだチョコ決められてないのに!」
「もう一度来たらいいじゃない。早く行こ」
「うん」
言い合いながら、彼女たちが店を出ていった。
ショコラ・レーヴかぁ。日本ではまだ有名デパートにしか入ってないけど、ベルギーでは押しも押されもせぬ老舗チョコレートブランドだ。その滑らかな口溶けとほどよい甘さは私も気に入っているが、モン・トレゾーとは取引がない。
「鈴音さんも興味あります?」
美佳ちゃんがこそっと話しかけてきた。
「広告に写真が載ってますよ。ホントにイケメンなんですから!」
「私が興味あるのは、イケメンじゃなくてチョコレートの方なんですけど」
目の前のショーケースを覗き込んでいた二十代前半くらいの女性客に、連れの女性客が声をかけた。
「そろそろ行かないと、ショコラ・レーヴの実演が始まっちゃうよ」
「あ、そうだった。イケメンショコラティエが来日してるんだよね」
「そうだよ。ショコラ・レーヴのトリュフもいいけど、あのショコラティエも写真じゃすごくイケてたよ」
「あー、どうしよう。まだチョコ決められてないのに!」
「もう一度来たらいいじゃない。早く行こ」
「うん」
言い合いながら、彼女たちが店を出ていった。
ショコラ・レーヴかぁ。日本ではまだ有名デパートにしか入ってないけど、ベルギーでは押しも押されもせぬ老舗チョコレートブランドだ。その滑らかな口溶けとほどよい甘さは私も気に入っているが、モン・トレゾーとは取引がない。
「鈴音さんも興味あります?」
美佳ちゃんがこそっと話しかけてきた。
「広告に写真が載ってますよ。ホントにイケメンなんですから!」
「私が興味あるのは、イケメンじゃなくてチョコレートの方なんですけど」