恋の後味はとびきり甘く
彼がひと粒口に入れるのを待って、私も遠慮なくひと粒いただく。フィリングは砂糖をキャラメリゼしたものに、ローストしたナッツ類を加えてペースト状にしたものだ。今食べたのはヘーゼルナッツプラリネをミルクチョコレートで包んだもの。宝石のような見た目も美しい。そんなプラリネは、ベルギーチョコの代名詞のようなものだ。
「アーモンドのプラリネだ。芳ばしい」
涼介くんが言った。さすがに製菓専門学校に通っているだけある。
私がふふっと微笑むと、彼が私を見た。
「味方してくれてるお母さんは、もちろんこのチョコを食べたことがあるんですよね?」
彼に言われて、私はうなずく。
「はい。一度だけですけど」
「一度だけ?」
「モン・トレゾーをオープンして一ヵ月後に、母は病気で倒れてそのまま」
涼介くんがカップに伸ばしていた手を止めた。
「俺は……なんてことを。鈴音さんの心の傷にずかずかと踏み込んで……」
彼の顔が申し訳なさそうにゆがんだ。
「アーモンドのプラリネだ。芳ばしい」
涼介くんが言った。さすがに製菓専門学校に通っているだけある。
私がふふっと微笑むと、彼が私を見た。
「味方してくれてるお母さんは、もちろんこのチョコを食べたことがあるんですよね?」
彼に言われて、私はうなずく。
「はい。一度だけですけど」
「一度だけ?」
「モン・トレゾーをオープンして一ヵ月後に、母は病気で倒れてそのまま」
涼介くんがカップに伸ばしていた手を止めた。
「俺は……なんてことを。鈴音さんの心の傷にずかずかと踏み込んで……」
彼の顔が申し訳なさそうにゆがんだ。