恋の後味はとびきり甘く
 私がどう答えようか迷って黙っていると、涼介くんが考えるようにしながら口を開いた。

「それじゃ、水族館はどうですか?」
「水族館?」
「はい。夜はラッコやペンギンが寝ている姿が見られるそうですよ」
「ラッコとペンギンの寝姿!?」

 それは見てみたい!

「ライトアップもされててキレイだって聞きました」
「わあ、いいなぁ」

 それってますますデートみたい。

「それじゃ、決まりでいいですね。来週の水曜日、五時に会いましょう」

 涼介くんが軽く片手をあげて出ていこうとする。

「あの、誘ってくれてありがとうございます」

 涼介くんが両方の口角を上げてにっこり笑った。私を癒やしてくれる極上の笑み。

「こちらこそOKしてもらえてうれしいです。会えるのを楽しみにしていますね」
「はい」
「お仕事、がんばってください」
「ありがとうございます」

 それじゃ、と涼介くんが言って出ていった。
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