さよなら、涙。─ また君に会いたくて
亮介のことを、ほとんど知らなかった。
だから付き合ってからは、亮介に合わせるために一生懸命で。
亮介に似合うカノジョにならなきゃって、それだけだった。
「村井くんと付き合ってから美春、可愛くなったんだし良かったじゃん」
もともと快活で姉御肌の千紗は、私の変貌ぶりを称えてくれている。
───というのも
「中学の時は、部活オンリーだった美春が、女の子らしくなったんだしさぁ」
千紗が言うように、もともと私はテニス部の“体育会系女子”だった。
もちろん、亮介には内緒にしているけれど。
「それにしても、変われば変わるもんだよね」
千紗は女の子らしく振舞う私を、今でも不思議そうな目で見ている。
「だって亮介って、知的なタイプが好きそうだし……」
しかも、それだけじゃない。