さよなら、涙。─ また君に会いたくて
「あっこれね、コンタクトを買ってもらうの忘れてたんだ」
答えるまでに、ほんの少し間が空いた。
緊張しているのと、やっぱり視界に違和感があるからだ。
それを誤魔化すために、わざと照れた仕草をしてみたけれど、亮介は真顔のまま机に肩肘をついて「ふぅ」と小さく息を吐く。
「忘れちゃダメだろ、てかメガネ、似合ってないし」
思った以上に、厳しい言葉が飛んできた。
「今度から忘れんなよ」
「……あ、うん。ごめん」
亮介に一蹴された私は、ひとこと謝ってから自分の席へと戻る。
ショックは二倍だった。
躊躇いながら掛けたメガネなのに、肝心の目の調子が悪いのだから。