さよなら、涙。─ また君に会いたくて
亮介は、二重瞼のはっきりした顔立ちに、茶色がかった髪をワックスでセットして。
制服も真面目過ぎず、緩過ぎず綺麗に着こなしている。
女の子の私より よっぽど細やかな彼に、少なからず引け目すら感じるくらい。
「ふぅ」と軽く息を吐いた私へ
ひとつ前の席の千紗が、唸るような声をあげてから振り返った。
「うーん、でもさぁ、村井くんが美春の彼氏だなんて、いまだに信じらんないよ」
「ははっ、そうだよね」
千紗が首を傾げるように、クラスの中心的存在の亮介は
……本当に信じられないけれど
私の“彼氏”