さよなら、涙。─ また君に会いたくて
「それにしても、村井くんと美春って全然タイプが違うよね」
“なのに大丈夫?”
千紗の顔は、そんな言葉を言いたそうな表情だ。
「だって、断る理由がなかったから……」
その時の私は、特に好きな人がいたわけでも、亮介が嫌なわけでもなかった。
「まぁ……。そりゃそうだけど」
納得したのか、「あ、でも」と、千紗が話を切り替える。
「村井くんと付き合ってから、美春もすっごい努力してるじゃん。メイクも覚えたし、ヘアカラーも入れたんだから」
千紗が、私の髪の先を摘んで軽く引っ張った。
もしかして、褒めているつもりなのかもしれない。
だけど、千紗。私は─────