王子の初恋は私な訳ない
「あ、上杉ちゃん1人になった。」
シゲはずっと美麗ちゃんを見ていたようだ。
「話してくれば?」
「せっかくの機会だし♪」
澪ちゃんとももりんが応援する。
「・・・あー分かった分かった、俺も行くから!ちょうどポテト食い終わったし!」
そう言ってヤスはシゲを立たせた。
シゲは見た目によらずシャイらしい。
それを良く分かってるヤス。
2人はうちらを置いて美麗ちゃんの方に行った。
「・・・あ、そういやももりん時間は?」
「あ♪もうお迎え来てるみたい♪」
「そか。じゃあ私も一緒に行くわ。」
そう言って澪ちゃんももりんも帰る準備をしだす。
「え!?待って!じゃ、じゃあ私も!」
ここで澪ちゃんとももりんが帰ったら王子と2人きりになる。それはまずい。飲みかけのジュースを一気飲みした。
「そういえばさ〜」
と言いながらヤスが戻ってきた。
「さっき話してるの聞こえたんだけど、岩谷と成田キスしたってホント?」
ヤスは時を停める魔法を使った
「え!?ちょっまっ!!」
時を戻して声を出すが
「まあまあ」
「とりあえず行きますか?♪」
と澪ちゃんとももりんはヤスを連れ行ってしまった。
「違うって!あれは事故なの!いや!事故ってか私の妄想だから!ちょっ!」
私も早く準備して追い付こうと思ってカバンを持とうとしたらカバンが何かに引っかかった。
みてみると王子が右手で手を振りながら、左手で私のカバンを抑えていた。
私はそれ以上の抵抗をやめ、大人しく椅子に座った。
王子は隣に座り相変わらずニコニコしていた。
終わった。
私はこれから締められるんだ…。
そう思って居るのに王子と2人で居る事にドキドキし過ぎて、さっき飲み干したジュースをひたすらストローですすった。
すると王子は私の頭をポンッポンッと撫でて「いこっか。」と言った。
ここは大人しくついて行こう…。