王子の初恋は私な訳ない

俺の彼女でしょ？

あれから王子と登下校するようになった。
私なんかが王子の隣に居ると
嵐が吹き荒れるかと思いきや何事もなく
ももりんの話によると
｢王子は外見より内面を見る優しい人だと王子ファンの熱気は急上昇してるらしいですよ♪｣
だそうだ。
おい、誰がブスだよ！！！！
だからと言って私を妬み、悪さをして来る人が居るかと言えばそうでもない。
きっと私の内面を高く評価してくれてるのだろう
｢なりたんに力で適うワケないからですって♪｣
おい、誰がゴリラだよ！！！！
どうであれ平和で良かった。

ただやっぱり私の心は平和じゃない。
いつになっても王子が隣に居ることに慣れない。
私のせいで王子が交通事故に合ってしまうのではないかと思い道路側を歩くのだが、逆に怒られてしまう。
雨の日に傘を忘れて困ってる女の子がいると傘をあげるてダッシュするのだが、すぐに追い付かれて王子の傘に入れて頂いてしまう。
私が女の子に告白されそうになると、何故か王子が来て私をどっかに引っ張ってってしまう。
ほぼ毎日何をするわけでもなく王子の家によってしまう。
なんなんだこの感じ！！！！

｢まるで恋人同士ではないかー！！！｣
私は頭が混乱しすぎて叫んでしまった。
｢...また始まったねももりん。｣
｢ここが屋上で良かったですね♪｣
なんて話しながらピクルスをボリボリしている澪ちゃんとサンドイッチを食べてるももりん。
ああん、なんて今日もこの2人は輝いているのかしら！！

｢ってかさ、付き合ってるんじゃないの？｣
｢んな訳ないよ！まさか！私と王子が釣り合う訳ないし！！｣
｢でも好きって言われたのでしょう？♪｣
｢た、確かに言われたけど！でもそれはきっと人間としてって事で｣
｢最近王子は告白されると彼女居るからって言うらしいよね。｣
「え！？あ！そうなんだ！｣
「そうですよ♪だから自信もっ「じゃあ私もう一緒に帰らない方が良いね！」
そうか、この前失恋したって言ってたの実ったんだ。
私は何も知らず勝手に浮かれて勝手に付き合えるかもっておこがましい事を考えていた。
「いや違くてあな「教えてくれてありがと！そろそろ教室戻ろー！」
私はなんて馬鹿な女なんだろうか。