蛹の涙

屋上から教室に戻り、机の落書きを眺めていると、お昼も過ぎたこの時間に、教師が入ってきた。

「席に着け~、急ではあるが転校生を紹介するぞー。」

・・・・・。

転校生、遅刻したんだな。

はぁ、面倒事にならないといいけど・・・。

ガラッ

思いっ切り引き戸を開け、銀髪の男が入ってきた。

何だかとても、目つきが怖い。

「えー、氷室透(ヒムロ トオル)君、だっけ?」

「先生、俺は氷斑悠哉(ヒムラ トオヤ)です。」

・・・・。

転校生の名前くらい覚えてやれよ、先生。

「えっと、親の都合で引っ越してきました_____」

高校ってそんな簡単に入れたっけ?

と言う疑問はさて置き、取り敢えず、何か不良っぽくないのが入ってきた。

まぁ、関わることはないか。

あんまり関わりたくないしね。

「___ってのは建て前で、天城、ぶっ潰しに来ました。」

・・・・・。

訂正。

ある意味凄い不良が入ってきた。

絶対、関わりたくない。

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