蛹の涙
「でさ、俺もずっと気になってたんだけど、お前、何をそんなに隠そうと必死になってるわけ?」
「・・・・・」
もう話が変わりすぎてツッコミすら出来ない。
でも、出会い頭にいきなり人の心の中土足で入ってくるって、どうかしてる。
それが素直さ故だって言うなら、それはとても残酷だ。
だから関わりたくなかったんだ。
私には眩しすぎる素直な目をした、それなのに私の隠したいことはすぐバレてしまいそうな彼に対し、気が気でなかった。
「別に。」
色々言葉を探して、その問いにだけは何とか答えようと必死になったけど、結局出てきたのはその一言。
って言うか、それだけ必死に言葉を探すなんて、
私には隠したいことがありますよ。
って言ってるようなものじゃん。
あぁ、本当、馬鹿みたい。