蛹の涙

「______!!!」

クラスの女子がなにかと叫んでいるようだが、私には関係ないだろう。

そう思っていたのに………

イヤホンを外されるわ、殴られるわで、勘弁してほしい。
 
「ほんっとに、何なのよ!!少しは痛がりなさいよ!泣きなさいよ!悔しがりなさいよ!!あははっ!わかったわ!貴方、人形なのね。感情も何もない、ただの人形。」

そう言いながら、私を殴り続ける。

「いや、人形ではないね。感情くらいある。だって、ほら_____」
 
私は厚化粧の女たちに、殴られた跡を見せつけ、笑った。

脅しとか、そんなのじゃなくて、ただ単純に感情くらいあるって見せつけたかったから、笑っただけ。

「___こんなにも痛い。」

笑いながらそう言う私に恐怖したのか、厚化粧の女たちは退散したようだ。
< 3 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop