蛹の涙
「チッ、何でお前がここにいんだよ」
物凄い血相で睨みつけて、嫌そうな顔をする天城の総長、城山遼牙(シロヤマ リョウガ)。
「よく顔を出せましたね。」
ポーカーフェイスを保っているが、声のトーンで私を嫌っていることがわかる、副総長、若乃洋佑(ワカノ ヨウスケ)。
「いや、もう帰るから。ごめん、癖でさ。」
何て呟くと、いきなり、幹部、藤沢琉生(フジサワ ルイ)に服を掴まれる。
「おまっ、姫輝(ヒメカ)いじめてといて、よくそんな事が言えるな!!」
「まぁ、そうだね。」
いつも通り、マイペースに答える。
「本当、お前はいつも通りなんだな。」
同じく幹部の琉生の双子の弟、藤沢琉羽(フジサワ ルウ)は、兄とは違い、冷静に、冷たく言葉を発した。
「ほんま、あんたには叶わへんわ」
この話し方は静夜実(セイヤ ミノル)。勿論幹部だ。
「じゃあね。」
「あっ、おい_____」
遼牙に有無を言わさず、バタンと扉を閉めた。