蛹の涙
「おい、お前、来い。」

遼牙がそんな事を言うから、私の事だと思って無愛想に「何?」って言ったけど、私を呼んだわけじゃなかったみたいで、「優鶴の事は呼んでねぇよ」って言われたし。
 
しかも遼牙、何か笑ってた。
 
口元ちょっとだけ上げて、目を細めて。

「何ですかぁ?」

仲間外れにされそうなのがいやなのか、姫輝は急いで会話に割り入った。



あぁ、何か語尾伸ばしてるよ。

さっきまで伸びてなかったのに、急に伸ばし始めたよ。

欲が出てるの、分かんないかなぁ?

姫輝ちゃん。

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