かわいい君まであと少し
 望月課長のために敷いておいた布団の上に横になった。
 これからシャワーを借りて、望月課長の夜食作んないと。おにぎりでいいかな。
 このままでいると寝てしまいそうで体を起こした。
 志穂ちゃんが眠っていることを確認して、簡単にシャワーを済ませた。シャワーを浴びている間、志穂ちゃんが起きてないか心配で、シャワーを止めて耳を澄ます。静かなことを確認してから、またシャワーを出す。それを何度か繰り返してしまった。
 志穂ちゃんはぐすっりと眠っていて、お風呂を出てた時、一安心した。
 それから望月課長のためにおにぎりを作り、ラップ掛けてキッチンに置いておいた。
 部屋の電気を全部消して豆電球のみにした。志穂ちゃんの寝顔を見ているうちに意識が遠のいた。

 目が覚めると部屋は真っ暗だった。
 あれ、ここはどこだ。それにしても体が重い。特に腰のあたりが。
 体を捻ってもうまく動けない。それに首の下に固いものがある。無意識にそれに触れてみた。
 温かい……、これ腕だ。
 それにびっくりし、無理やり体を動かした。体を反対に向けると望月課長の顔が目の前にあった。腰があたりには望月課長の腕が乗っているらしい。
 帰ってきてたんだ。
 髪の毛がまだ少し湿っている。帰ってきてからそんなに時間が経っていないのだろう。
 何で一緒の布団に寝てるんだろう。ああ、そっか。私がここで寝ちゃったからいけないのか。なら、どうして腕枕されているんだろう。訳がわからない。

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