かわいい君まであと少し
 写真いっぱい撮ろう。
「怜子、荷物多いな」
「お弁当箱が入ってるんです。お弁当箱、持ってないですよね」
「ないな」
「やっぱり、こっちで用意して正解でしたね。レジャーシート持ってますか?」
「それもない」
「そうですよね。どこかで買いましょう」
 部屋に上がり、キッチンへ向かう。お弁当箱を置いてから、最初に朝ご飯とお弁当の下ごしらえをした。
 いつも通り朝ご飯を済ませてから、本格的にお弁当作りに取り掛かった。
 できれば朝ご飯と一緒に作ってしまいたかったけれど、そうすると志穂ちゃんの朝ご飯が遅くなってしまう。それで朝御飯のあとにお弁当を作ることにした。
 おかずとなる玉子焼き、タコさんウィンナー、ほうれん草の胡麻和え、きんぴらごぼう、ミートボールを作る。
 ミートボールだけは市販の冷凍食品を使うことにした。これは大人用のお弁当のみに入れる。
 あとはフライパンと鍋をうまく使って作った。そして大皿にできあがったおかずを並べる。
 さて、二人の出番かな。
 リビングのほうを見ると、志穂ちゃんはテレビを楽しそうに見ていた、望月課長の胡坐の上に座って。
「二人ともお手伝いをお願いします。手を洗ってきて」
「はーい」
 二人は仲良く洗面所へ向かい、何やらキャッキャッと騒いでる。
「何してるの?」
「すぐ行く」

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