かわいい君まであと少し
「なんだ、これ?」
ノートを開くと一ページ目には、お世話になっている病院名と担当医の先生の名前、連絡先、二ページ目には一日の生活のリズム、三ページ目には夜泣きについて、四ページ目以降には食事についてとレシピが書かれていた。
「妹さん、すごいですね。でも、これって急いで書いたものではなくて、日頃から書いていたものっぽいですね」
「ああ、妹はまめな性格だからな」
生活リズムを見ていると「すごい」と思った。
「望月課長、夕ご飯が六時、寝るのが八時ですよ」
「規則正しい生活だな」
「ですね」
オムツだけで焦るのだから、とりあえず今日は赤ちゃんが寝る八時まで一緒にいてあげたほうがいいかもしれない。
「あの、どうしてこの子を預かることになったんですか?」
「妹の旦那が今、海外赴任中なんだ。向こうで階段から落ちて骨折したんだ。命に別状はないらしい。それで、様子を見に行った。志穂はまだ小さいから、時差もきついだろうし、もし体調が悪くなったら向こうの病院で診てもらわなくちゃならない。赤ん坊が外国人の医者に囲まれるのは辛いだろ」
「そうですね。この子、しほちゃんって言うんですか?」
「うん。志に稲穂の穂で志穂。一歳と九ヵ月だ」
「いい名前ですね」
志穂ちゃんはテーブルの上に乗っているウサギのぬいぐるみが欲しいらしく、テーブルに右手をついて、もう片方の手を伸ばした。
「志穂ちゃん、ウサギさんですよ」
ノートを開くと一ページ目には、お世話になっている病院名と担当医の先生の名前、連絡先、二ページ目には一日の生活のリズム、三ページ目には夜泣きについて、四ページ目以降には食事についてとレシピが書かれていた。
「妹さん、すごいですね。でも、これって急いで書いたものではなくて、日頃から書いていたものっぽいですね」
「ああ、妹はまめな性格だからな」
生活リズムを見ていると「すごい」と思った。
「望月課長、夕ご飯が六時、寝るのが八時ですよ」
「規則正しい生活だな」
「ですね」
オムツだけで焦るのだから、とりあえず今日は赤ちゃんが寝る八時まで一緒にいてあげたほうがいいかもしれない。
「あの、どうしてこの子を預かることになったんですか?」
「妹の旦那が今、海外赴任中なんだ。向こうで階段から落ちて骨折したんだ。命に別状はないらしい。それで、様子を見に行った。志穂はまだ小さいから、時差もきついだろうし、もし体調が悪くなったら向こうの病院で診てもらわなくちゃならない。赤ん坊が外国人の医者に囲まれるのは辛いだろ」
「そうですね。この子、しほちゃんって言うんですか?」
「うん。志に稲穂の穂で志穂。一歳と九ヵ月だ」
「いい名前ですね」
志穂ちゃんはテーブルの上に乗っているウサギのぬいぐるみが欲しいらしく、テーブルに右手をついて、もう片方の手を伸ばした。
「志穂ちゃん、ウサギさんですよ」