かわいい君まであと少し
 のぼせない程度に体を温めてから、バスタオルで体を包み、軽く頭を拭いてから体を拭き、敷布団の上に連れて行った。

 オムツを着けてから、パジャマを着せ、髪をドライヤーで乾かす。やけどをしないように、頭皮とドライヤーの距離をとる。
 ただ、ドライヤーの音が苦手みたいで、すぐに逃げてしまう。
「あ、志穂ちゃん、待って。髪の毛乾かさないと風邪ひいちゃうよ」
 望月課長が胡坐をかいて座り、その上に向かい合うようにして志穂ちゃんを座らせた。
「志穂、俺もいるから大丈夫だよ。ほら、お友達のウサギさんいるぞ」
 ウサギのぬいぐるみと望月課長の存在で安心したのか、志穂ちゃんは逃げることはなくなった。
「志穂ちゃん、じっとしていてくれてありがとう。髪、乾いたよ」

「さあ、志穂、寝る時間だよ」
 望月課長は志穂ちゃんを敷布団の上に寝かせた。
「志穂ちゃん、おやすみなさい」
 私が薄手の毛布を掛けてあげると「おやすみなちゃい」と言った。
「志穂、おやすみ」
 望月課長が電気を消すと、志穂ちゃんは目をつぶった。
 お腹あたりをトントンとリズムを刻むように優しく叩く。すると志穂ちゃんから静かな寝息が聞こえてきた。

「寝たみたいだな」
「ですね。望月課長、お風呂入ってきていいですよ。望月課長が出てくるまで、私、志穂ちゃんのこと見てますから」
「悪いな。すぐ出てくるから」
「いいですよ。ゆっくり浸かってきてください。服、少し濡れちゃったから、体冷えちゃったでしょ」

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