かわいい君まであと少し
望月課長が座ると三人で「いだただきます」と言って、朝ご飯を食べ始めた。
「昨日、妹さんから連絡きましたか?」
「ああ、今朝来てた。ご面倒おかけしますがよろしくお願いいたします、だってさ。旦那の怪我も大丈夫だって」
「そうですか、よかったですね。志穂ちゃん、パパの怪我大丈夫だって、よかったね」
志穂ちゃんは一口サイズに切ってあるチーズトーストを手づかみで食べながら、うれしいそうに「うん」と言った。
「怜子、これ上手い。肉じゃがだったなんて思えないよ」
「お気に召してよかったです。望月課長、会社ではいつも通り“藤崎”でお願いします」
「わかってるよ。怜子は朝から“望月課長”かよ」
「はい。間違って“ゆた”さんって呼んだら大変なので」
私の言葉に反応して、志穂ちゃんが「ゆた」と連呼し始めた。
「ほら、志穂ちゃん、ゆたが怖い顔してるよ」
ゆたコールが気に入らない望月課長はムスッとしてコーヒーを飲んでいる。
「なんか、妻と娘が結託するって話、今実感した」
「なんですか急に」
「七歳の女の子を持つ友達がこの前言ってた。女二人に男一人。完璧にアウェイになるときがあるって」
「まあ、そうですね。私、姉がいるんですけど、家族内で意見が分かれると必ず三対一になりますね。一は父です」
食パンにオムライスを乗せてサンドイッチにして頬張ると「それも旨そうだな」と言って、同じようにして望月課長も食べ始めた。
「ちゃんとした朝飯久しぶりだ。まあ、朝飯を誰かと食べるのも久しぶりだし」
「昨日、妹さんから連絡きましたか?」
「ああ、今朝来てた。ご面倒おかけしますがよろしくお願いいたします、だってさ。旦那の怪我も大丈夫だって」
「そうですか、よかったですね。志穂ちゃん、パパの怪我大丈夫だって、よかったね」
志穂ちゃんは一口サイズに切ってあるチーズトーストを手づかみで食べながら、うれしいそうに「うん」と言った。
「怜子、これ上手い。肉じゃがだったなんて思えないよ」
「お気に召してよかったです。望月課長、会社ではいつも通り“藤崎”でお願いします」
「わかってるよ。怜子は朝から“望月課長”かよ」
「はい。間違って“ゆた”さんって呼んだら大変なので」
私の言葉に反応して、志穂ちゃんが「ゆた」と連呼し始めた。
「ほら、志穂ちゃん、ゆたが怖い顔してるよ」
ゆたコールが気に入らない望月課長はムスッとしてコーヒーを飲んでいる。
「なんか、妻と娘が結託するって話、今実感した」
「なんですか急に」
「七歳の女の子を持つ友達がこの前言ってた。女二人に男一人。完璧にアウェイになるときがあるって」
「まあ、そうですね。私、姉がいるんですけど、家族内で意見が分かれると必ず三対一になりますね。一は父です」
食パンにオムライスを乗せてサンドイッチにして頬張ると「それも旨そうだな」と言って、同じようにして望月課長も食べ始めた。
「ちゃんとした朝飯久しぶりだ。まあ、朝飯を誰かと食べるのも久しぶりだし」