かわいい君まであと少し
「わかりました。二人は心配せずに仕事に行ってください」
「聡さん、よろしくお願いします。このバッグの中に着替えとかが入ってますから必要な時は使ってください。ここに置いておきますね」
靴箱の上にトートバッグを置いた。
「わかりました」
望月課長と私は、もう一度志穂ちゃんに「行ってくるね」と言ってから別れた。
「さあ、会社に行かないと」
「だな」
急いで車に乗り、会社に向かった。
「あの、車での通勤申請してあるんですか?」
「いや、していない。今日は会社近くの駐車場に停める」
うちの会社は基本、車での通勤を禁止している。ただ、事情がある場合は申請をして、それが通れば車での通勤が認められる。
「そうですか。私は、会社の少し手前で降ろしてください」
「なんでだ? 一緒に行けばいいだろ」
「何言ってるんですか! 社内では、望月課長は専務の娘と付き合っていて、私は松本と遠距離恋愛中って思われているんです。私たちが駅と関係ない方向から歩いて来たら変に勘繰られますよね」
「そんなの言わせたい奴には言わせとけばいいだろ」
「それはそうだと思います。でも、仕事がしにくくなるのは御免です。それから二股野郎と思われるのも心外です。なので、私は先に降ります」
望月課長は「面倒くさい」と一言、言い放った。
しょうがないじゃない。職場の人間関係なんて所詮面倒くさいものなんだから。
「聡さん、よろしくお願いします。このバッグの中に着替えとかが入ってますから必要な時は使ってください。ここに置いておきますね」
靴箱の上にトートバッグを置いた。
「わかりました」
望月課長と私は、もう一度志穂ちゃんに「行ってくるね」と言ってから別れた。
「さあ、会社に行かないと」
「だな」
急いで車に乗り、会社に向かった。
「あの、車での通勤申請してあるんですか?」
「いや、していない。今日は会社近くの駐車場に停める」
うちの会社は基本、車での通勤を禁止している。ただ、事情がある場合は申請をして、それが通れば車での通勤が認められる。
「そうですか。私は、会社の少し手前で降ろしてください」
「なんでだ? 一緒に行けばいいだろ」
「何言ってるんですか! 社内では、望月課長は専務の娘と付き合っていて、私は松本と遠距離恋愛中って思われているんです。私たちが駅と関係ない方向から歩いて来たら変に勘繰られますよね」
「そんなの言わせたい奴には言わせとけばいいだろ」
「それはそうだと思います。でも、仕事がしにくくなるのは御免です。それから二股野郎と思われるのも心外です。なので、私は先に降ります」
望月課長は「面倒くさい」と一言、言い放った。
しょうがないじゃない。職場の人間関係なんて所詮面倒くさいものなんだから。