ピュアに恋して♪


幸か不幸か、なんて誰が決めるんだろう。
いったい、どこに基準があるんだろう。



――かわいそうに。立て続けに両親を失くされて・・・




――まだあんな幼いのに





可哀想。
度々ささやかれたその言葉に重みなんて感じなかった。

幼心に、ああ、そう言っている自分をよく見せたいだけ。
口先だけなのだと悟った。



可哀想。
そう言うくせに、手を差し出そうとしない。
なにか、してくれるわけでもない。
求めても、いないけれど。



押し付け合うように引き取り先が決まって。
一人っ子だった俺に、弟ができた。



でも、居場所なんてなかった。




幸か不幸――
俺は、おそらく一般的には不幸の部類に入るのだろう。




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