ピュアに恋して♪


半年くらいは、ほとんどしゃべってなかったんだから。
その時に戻ったと思えば・・・。



なんて。
その時だって、今とは状況が違うんだ。



自分で考えて傷つく。
もう、おーちゃんって呼んじゃダメだよね。


うだうだと考えていたらあっという間に教室で、おーちゃんは自分の席に座っていつものようにぼんやりとしてた。
ギュッと持っていたノートを握りしめ、意を決しておーちゃんの席に向かう。


おーちゃんの前の席に座っていた立川くんが私に気づいて視線を向け体勢を起こした。
それでも私はおーちゃんだけを見て、歩みを進めた。




「黒田くんっ」



上ずった声で話しかける。
もっと自然に話すつもりだったのに。

ビクッと身体を震わせ顔をあげたおーちゃん。
コクッと息をのみ込み、一気に話した。



「これっ、先生が渡しそびれてたって預かってきたの。ノート。はい!」




ビシッと両肘を伸ばしてつき出す。
我ながら不自然すぎる。




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