ピュアに恋して♪
「参考書?」
「うるさいな。別にいいでしょ。俺が何買おうが」
「う、うん。そうだよね。・・・でも、これ受験対策用って・・・」
秋人くん名門私立中学で高校はそのままエスカレーター式の高校に行くんじゃ?
「外部の高校受けるの?」
「っ、あんたに関係ないでしょ。おせっかいババァかよ」
「えっ、あ、ご、ごめんっ」
余計なこと聞いちゃった。
そうだよね。
進路の事なんて、私なんかに言いたくないよね。
「あんたって、いちいちビクビクして、ごめんごめんって、本気でごめんって思ってるわけ?」
「ご、ごめ・・・あ・・・」
「謝ればいいと思ってんの?口先だけで謝られてもイライラするだけなんだけど」
ビクッ。
言われた言葉に身体が震えた。
――ごめんごめんって。謝るばっかでうっとおしいんだよね
遠い記憶が。
ギュッと持っていた雑誌を握りしめた。