ピュアに恋して♪


私の声に怪訝そうに振り向く。
私は、唇をぎゅっと噛みしめ泣きそうになるのを抑えながら言う。



「私、おーちゃんと別れたの。だから、その・・・安心してね」

「・・・・は?」

「おーちゃんも、こんなウジウジしてみっともない私なんか、嫌になっちゃったんだね。フラれちゃったんだ」



泣きそうになるのを誤魔化しながら、あはは、と乾いた笑みを浮かべる。
ホッとしたかな。

秋人くん、おーちゃんとあまりうまくいってないみたいだけど、私がおーちゃんの彼女ってことあんまりよく思ってなかったみたいだし。

弟的には、こんな私なんかが彼女って、やっぱり恥ずかしかったのかな。




「だから、きっと、おーちゃんはもっといい人と出会って、もっといい彼女が・・・できると、・・・思う。だから・・・」



やばい。
こんな事言って、自分の首絞めてる。




「安心して・・・ね」




ここで泣くのは間違ってる。
秋人くんに迷惑だ。
我慢しろ。
我慢。


泣いちゃ、ダメだ。



< 138 / 231 >

この作品をシェア

pagetop