ピュアに恋して♪
カラオケという事もあり、順番に曲をいれて盛り上がっている。
私はどうにか歌わないですむように身を潜めていた。
「歌わないの?」
「えっ」
さっき目の前に座っていた男の人がいつの間にか隣にいて笑顔を浮かべる。
確か、矢野さん。
「歌は・・・苦手なので」
「そうなんだ。亜子ちゃんの声聞きたいのに」
「そんな・・・」
グッと身体を寄せられ私は戸惑う。
近い、この人・・・なんだか、怖い。
トントン
部屋をノックする音がして、矢野君は少し私から離れた。
そのことにホッと胸を撫で下ろす。
「飲み物来たんじゃねぇ?」
ガチャッと扉が開かれ、店員の服を着た人がトレイに乗せられた飲み物を運んできた。
「え―――――」