ピュアに恋して♪
入ってきたその人を見て、私は目を見開いた。
ドクン、と胸が鳴り、息がクッと詰まる。
「お・・・・」
おーちゃん。
思わず口から出そうになった声を抑え込む。
どうして・・・。
そういえば、バイトって。
ここだったんだ・・・。
おーちゃんは私と目が合うと一瞬だけ表情を変えた。
でもすぐに視線はそらされ飲み物のグラスを机に置いていく。
「ありがとー店員さん」
「?あれ、黒田くんじゃん!」
「すごーい!偶然!ここでバイトしてるんだ!」
女の子たちはみんなクラスメイトだから気づいたみたいで明るく声をかける。
「・・・そう。ごゆっくり」
おーちゃんは、あまり気にする様子もなくそう答えるとさっさと出て行ってしまった。