ピュアに恋して♪
「良かった、持ち歩いてて。秋人くん、これ」
「は?」
いつか会った時にと思って、持ち運んでいたものを思い出し鞄から出すと渡した。
怪訝な顔でそれを受け取った秋人くんはその中身を確認する。
「・・・なにこれ」
「あの時見てた参考書。秋人くん、買わずに帰っちゃったでしょ?本当は買うつもりだったみたいなのに、私が変な事言ったから・・・」
「わざわざ買って持ってたわけ?もしそのあと俺が買い直してたらどうすんの?これ無駄になるんだけど。バカじゃないの?」
「あ・・・、そうだね。ごめ・・・あ・・・」
そういえば、ごめんって言いすぎだってその時に言われてたんだった。
口癖みたいになっちゃってるんだな・・・。
シュンと肩を落とす。
「・・・まぁ、買ってないから貰ってあげるよ」
「ほんと?よかった」
「今小銭ないんだけど」
「え、あ、お金はいいよ。私が勝手にしたことだから」
「・・・ふぅん」
秋人くんはそのままそれを鞄の中にしまう。
受け取ってもらえてよかった。