ピュアに恋して♪
大好きだった家族を失くしてから。
絶望を知ったその日から、俺の心は沈みきったまま。
なにも変わっていない。
「音玖はさ、気づいてないだけで、いろんなもの持ってんだよ」
「・・・なに」
「全部に、知らんふりするつもり?」
なにが、言いたい。
「カラオケ店で、会ったんでしょ?亜子ちゃんと。今回はあれだったけど、本当に誰かいい人現れるかもしれないよ?」
「いいことだろ」
「本当に?・・・じゃあ、俺がもらってもいいの?」
「・・・は」
「俺が、亜子ちゃんの事狙ってもいいの?」
いつになく真剣な顔で。
胸がざわめく。
なんだ、この気持ちは。
知らない。