ピュアに恋して♪
「兄ちゃんは、・・・俺なんか、嫌いだろうけど。俺は・・・、兄ちゃんができて、嬉しかったんだ。でも、兄ちゃんは、俺に関心なくて、なんでも、譲ってくれて。それが寂しかったから。素直になれなかった・・・」
ガシガシと、乱暴に涙を拭いながら、一生懸命話す秋人の姿に。
俺は、胸を打たれた。
今まで俺は、なにをしてきていたんだろう。
「ごめん・・・。俺、見ようとしてこなかった。秋人の気持ちも、知ろうとしなかった」
「・・・っ」
「失くすことを怖れて、秋人が、俺を見ていてくれた事も気づけなかった」
「俺、兄ちゃんとちゃんと兄弟になりたい・・・」
嫌われていたんだと思ってた。
家族の中に無理やり入ってきた俺の事を。
疎ましく思ってるんだって。
口悪く突っかかってくるそのままを受け止めて。
接し方もわからずに。
逃げたんだ。
「今まで、ごめん・・・」
簡単に、変わることは難しいかもしれないけれど。
それでも。
少しだけ、前に進んでみようと思えた。