ピュアに恋して♪


次の日、俺は最低最悪の場面に出くわしてしまった。
なんてついてない。
なんて不幸な男なんだ。




「調子に乗んないでくれる?ちょっとたかに気に入られてるからって」

「・・・」




校舎裏。
ここを通った方が食堂が近いからと近道してたら、そんな場面に出くわしてしまった。
不機嫌そうな顔の俺にまとわりついてた先輩と、面倒そうな真央ちゃん。
もちろん、調子に乗るなと責め立てているのは先輩。



これって、俺の事、だよね。
面倒くさい。




「ちょっと、きいてんの」

「・・・なんですか」

「だから、調子にのんなって言ってんの」

「のってませんし、あんな奴、どうでもいいです」




き、厳しい。
わかってるけど。
そうはっきり言われると、いくら俺だって傷つく。



出るに出られなくなって、逃げるに逃げられなくもなって。
すぐ助けに出れない自分は、やっぱり変わることなんてできないクズなんだろう。



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