timetraveling
「あたし優子。よろしくね。ついでにこいつは片桐まこと」

「ついで言うなバカ。…よろしくね理沙さん」

「あ…はい。よろしく」
まことっていうんだ…
ミキが夕べ話してた優子さんてこの人なんだ。ミキは男みたいな感じって言ってたけど、優子さんは誰が見たって正統派の美人だと私は思った。

「じゃあダーリン、仕上がったら電話してね。またね、理沙ちゃん」

そう言って優子さんはその場を後にした。

「ダーリン言うなバカ」

残された私たち。

まことは「やれやれ」といった表情でまっすぐ前を見ていた。

私はその横顔にじっと見入っていた。
少し茶色い、風を抱いた髪、スラリとした鼻、細めた瞼の美しさ。
風がやわらかく肌をくすぐる公園のはしっこで、私はまことと出会ったんだ。





< 4 / 10 >

この作品をシェア

pagetop