timetraveling
「そうだったんですか…」
ミキはがっかりした絵文字のような分かりやすい反応でこちらを見ている。
「でもそれってまことさんぽいかも」
両手で咲希の顔を温めるように包み込みながらミキは笑顔で頷く。
こうして見ているとなんだか親子みたいに見えてくる。
「ミキちゃん…」
長い髪が風に揺られてハラリと肩にかかる。
「あたし、昔一度、理沙に泣かれた事あるんだ…ご両親の事故の話で。あの時ね、正直どうしてあげればいいかわからなかった。ただただその涙を止めてあげたい一心だったの。抱きしめる事しかできなくて。あの子の『今』があるのはまことさんがいるからなの。理沙の悲しみを消したまことさんはあたしの勇者だよ」
そのルックスや華やかさからは到底想像できないミキの言動に、俺はただ呆然とするばかりだった。
「だからきっとこの先、世界芸術賞とって(笑)」
最後のくだけた(笑)には、理沙の幸せを願う気持ちが強く込められていた。
「わかった。約束するよ」
スカートをさらっと払ってミキは雨上がりの空を瞳を閉じて仰いだ。風を含んだその横顔があまりにも清楚で思わず見いってしまう。
「じゃあ、あたし行くね。あ、そうそう明日は理沙お借りしまぁす」
「え?」
「あれ?知らなかった?」
「理沙と約束してたのかい?」
「たまには二人で外で食べようってあたしが誘ったの」
ミキはがっかりした絵文字のような分かりやすい反応でこちらを見ている。
「でもそれってまことさんぽいかも」
両手で咲希の顔を温めるように包み込みながらミキは笑顔で頷く。
こうして見ているとなんだか親子みたいに見えてくる。
「ミキちゃん…」
長い髪が風に揺られてハラリと肩にかかる。
「あたし、昔一度、理沙に泣かれた事あるんだ…ご両親の事故の話で。あの時ね、正直どうしてあげればいいかわからなかった。ただただその涙を止めてあげたい一心だったの。抱きしめる事しかできなくて。あの子の『今』があるのはまことさんがいるからなの。理沙の悲しみを消したまことさんはあたしの勇者だよ」
そのルックスや華やかさからは到底想像できないミキの言動に、俺はただ呆然とするばかりだった。
「だからきっとこの先、世界芸術賞とって(笑)」
最後のくだけた(笑)には、理沙の幸せを願う気持ちが強く込められていた。
「わかった。約束するよ」
スカートをさらっと払ってミキは雨上がりの空を瞳を閉じて仰いだ。風を含んだその横顔があまりにも清楚で思わず見いってしまう。
「じゃあ、あたし行くね。あ、そうそう明日は理沙お借りしまぁす」
「え?」
「あれ?知らなかった?」
「理沙と約束してたのかい?」
「たまには二人で外で食べようってあたしが誘ったの」