REGRET
6
「希ちゃ〜ん!菫ちゃ〜ん!大変だよ〜!」
凛は学校に来たと思ったらすぐに2人のところに向かって来た。
「朝から元気だね!どうしたの?」
「大変だよ〜!今日数学のテストが返ってくるよ〜!」
「って、そんなことかい!」
「そんなことって、やばいよ〜やばいよ〜!」
凛はものすごく焦っている。
「でも凛ちゃん先週のテストが終わった時さめっちゃできたとか言ってたじゃん。」
「あの日はできてたのよ〜!」
凛のよくわからない発言に2人は呆れた。
「まぁ、でも終わったことだしさ、明るく行こっ!」
希の開き直りもどうかと思うが...。
「そうだね〜!後はひたすら拝むだけだね〜!」
「神頼みかよっ!」

「はーい!テスト返すぞおー!」
高校数学初めてのテスト返しはなかなか緊張した。
「ちなみに平均点は62点だぞ〜!それでは!」
凛はまだかまだかとそわそわしている。
「あー、そういえば模範解答配ってねーな!ま、後でいっか!それでは!」
凛はまだかまだかまだかと手で机を何度も軽く叩いている。
「あー...」
「って!まだあるんか〜い!」
凛は思わず言ってしまった。
「どーした菊池ー?」
クラス中で笑いが起きた。
「まっ、赤ペンだけだしといてねー!それどはー!」
やっと配り始めた。
「植草ー!おーなかなか取れてるぞー!」
”83”
「菊池...。まぁ、普通...なのか?」
凛の顔は明るくなった...。と思ったが、もらった瞬間に顔が青ざめていった。
「佐藤〜!クラスナンバーワンだ!!」
”94”

「凛ちゃん元気出して。」
「はぁ...。赤点だよね?これは...。」
「ま、まぁ..。でも一応追試あるみたいだしさ。」
菫は凛を励ますことしかできなかった。
「どーして一緒に教わったのに希ちゃんはできるんだよ〜。」
「私もそれは気になった。」
2人は希を問い詰めた。
「どうしてって言われましても...。どうしてかな?」
「それはおかしいっ〜!希ちゃん!ノート見せてっ!」
2人は希のノートを覗いた。
「えっ、希...。これは?」
そこにあったのはあきらかに5.6時間あってもできないほどの問題数を解いていた。
「それは土日に結構やってさ、だからかな?」
間違いなくそれが結果につながっていた。
「すごいね、希。」
「すごすぎ〜〜!ガリ勉や〜〜!」
2人は希に感心しきった。
「まぁ、そんなことよりもお昼ご飯食べよっ!」
3人はお昼ご飯を食べ始めた。
「おい、凛〜!俺追試になっちまったぜ〜!」
拓海の言い方的に追試でうれしそうだ。
「やっぱり拓海もそうか〜!何点だったの?」
「22点だぜ〜!凛は?」
「18〜!」
『イエーイ』
2人は負け組のくせにハイタッチして喜んでいた。見にくい...。
「凛、残念会ってことで購買行くけど行く?」
「どんな会だよ〜!行ってもいいけどさ〜!」
「お2人さんも一緒のど〜お?」
拓海が菫と希の二人を誘った。
「私たちお弁当あるしね!」
「そうだね。今日はいいかな。」
私たちは断ろうとした...。
「あっ、言い忘れたけど、空も来るってさ〜!」
私は肩に力が入った。
「希。行こう。」
「菫..。いいよ!」
菫は空が来ると聞いたとたんに行く気になった。

しかしいざ行くとなると、話すこともタイミングもない。
3人は私と空くんがうまく話せるように配慮してくれているけど、返ってこれはこれで話ずらい。私は話すことを無理やり作ろうとがんばってはいたが、緊張しすぎて頭がうまく回らない。
この空気に凛は耐えられなくなった。
「空〜?テスト何点だったよ〜?」
「俺は、84点だけど!」
「えっ...。」
私は空くんに1点差で負けたため思わず声が出てしまった。
「どーしたの菫さん?」
「あっ...。私83点だったので...。1点負けちゃって。」
「そうなの?俺の勝ちやな!」
空くんがまた笑ってくれた。凛ちゃんありがとう。
「あーそうだ菫さん、夏休み拓海と花火大会に行くんだけどさ、よかったら3人も来ない?」
「行きます。」
私は何の迷いもなく返事をしてしまった。
「菫ちゃん来る〜?やった〜!」
拓海は男子2人で行く予定が女子が来るということで喜んだ。
「希も行けるでしょ?」
「あー、まぁ。」
希は菫と空を2人にしようとしたが、拓海の調子を見て無理そうだと判断した。
「んじゃ、5人でってことで!待ち合わせ場所と時間は後で言うか!」
私はもうこの瞬間から行きたくて仕方がなかった。

その日から”花火大会”というグループができた。
”5時に花岡公園で!”

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