REGRET
9
2学期が始まってからもう2週間が過ぎた。
私はあの日以来空くんとは話していない。話したいとは思っているが、うまく会わないし、時間が経つにつれて話しずらくなってきた。
「菫!先行ってるよー?」
次の時間は生物。生物室への移動だった。私は急いで2人を追いかけた。
「いたっ...。」
4組の前で出てきた人とぶつかって私は倒れた。
「ご、ごめんなさい。」
少し小柄な男子生徒だった。
「ごめん。大丈夫?」
「あ、全然大丈夫です。」
声も結構高めの優しい人だった。
私は急いで来すぎいて筆箱のファスナーをあけたまま来てしまい中身がバラバラに出てしまった。私は急いで散らばった中身をかき集めた。ぶつかってしまった男子生徒もしゃがみ手伝ってくれた。残り1本のペンだけが組のドアの方に転がっていった。どんどん遠ざかっていくペンが1人の生徒の上靴によって止められた。
「あっ...空くん。」
私は思わずその場をすぎに立った。話したかったけどいきなりすぎて言葉が浮かばない。
「えっと、あの...。」
すると空がペンを拾って菫の方へ近づいてきた。
私はどんどんと鼓動が速くなっていく。
菫は空と目を合わせずにいた。
「はい!菫さん。大丈夫?」
「あ、うん。こないだは...いろいろごめんね。あれからずっと会えずにいたから言えなくて...。」
「大丈夫だよ。心配かけちゃってごめんね。」
よかった。いつもの空くんと同じだった。
「それより次遅刻しちゃうよ?」
「えっ、あっ、本当だ。じゃあまた。」
菫は空くんの返事も聞かずに急いだ。
あっ、そういえば。
菫はもう1度戻った。
「あの、ありがとうございました。」
菫は4組の男子生徒にお礼を言うと再び走り出した。
空くんのことが頭から離れなかった。
空は菫が見えなくなるまで見届けた。そんな空を4組の男子生徒が見届けた。

今日も学校が終わり放課後の部活が始まる。菫はいつも通り希と行った。玄関について靴を履き替えようとした時4組の靴箱から今日ぶつかってしまった男子生徒が現れた。
目が合ってしまった。私は一度そらした。再び彼を見てみると軽く微笑んできた。私もはにかみながら軽く会釈をした。
「おい、神田!先に行くなよ〜!」
4組の靴箱に向かって彼の友達が走ってきた。
彼の名前、神田くんって言うんだ。
「菫ー?遅いよー?」
菫は神田から目を外し希に視線を向け、急いで靴に履き替えた。2人走って部室まで行った。神田は再び菫の方に視線を向けたが、再び菫が振り向くことはなかった。
「どうかしたの〜?」
「ん?いや、なんでも。」
神田たちも帰っていった。
< 9 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop