キミに恋の残業を命ずる
それに正直言うと、いびられてしまうのは、やっぱりそれだけわたしがダメだからじゃないかな、って自覚もあった。
受付の仕事はデスクワークが少なかったからパソコンスキルが乏しくても困ることはなかった。
でも総務部がそうはいかない仕事なら、やっぱりきちんと鍛練しなきゃいけないし、ミスなんてもってのほかだ…。
うん…。
きっと…先輩たちは厳し過ぎるだけだよね。
イジメは愛のムチ。
異動した今までの子たちは、ちょっと時代錯誤なスパルタ教育についていけなかっただけ。
そうやって自分を叱咤して耐えしのばなきゃね…うん…。
と、言い聞かせてみるものの。
「この大量のリスト…どうやってさばけばいいのー…」
カラカラカラカラ…マウスのホイールボタンを回しながら、わたしは大きなため息をこぼした。