キミに恋の残業を命ずる

「亜海。そろそろ他の連中が出社するから準備しないと」


課長の声が聞こえた。


どっちにしたってわたしには関係ないことだ。
課長とは利害関係が一致しただけのビジネスの付き合いなんだから。


ただ、このポーチの持ち主に憐れまれるのは嫌だった。

急いで服を着て忘れないようにネックレスをすると、ポーチをもとの隅に戻して洗面所を出た。






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