キミに恋の残業を命ずる
「そして、もしこの取り決めを破った場合は、互いは互いに賠償することになる」

「ば、賠償…?」

「大したことじゃないよ。その時に一番してもらいたいことを相手にしてもらう。子供だましみたいなものさ。どう?ここまではオッケー?」

「…全力でって、ずいぶん大きくおっしゃいましたね…そんなことできるんですか」

「できるよ。絶対に、できる」


あまりの即答に戸惑った。


「…ず、ずいぶんな自信ですね。わたしは自信がありませんよ。課長に尽くすなんて」

「そう?簡単じゃない?俺を恋人と思えば、やりやすいじゃないか」



は…?



「好きな男にならなんだって尽くせるだろ。むしろ夜だけじゃ、足りないくらいじゃないか?」


なにを言ってるのこの人…。

どこまでふざけてるの?

わたし以外の女の子にも、こんなことを言って翻弄しているんだろうか?
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