キミに恋の残業を命ずる
「キミって意外に強情だね。そこも可愛いけれど。その言葉いつまで続けられるかな」


キャメル色の瞳。
形のいい唇。


魅力的過ぎて…身動きがとれない。


あごがくいと上を向かされる。

突き離して逃げたい。でも動けなかった。脳裏にはあのやわらかい唇の感触が残っていて…。



わたし、求めてる…?
もう一回、って…課長のキスを望んでる…?



課長の顔がすぐ近くまで来た。

キャラメル色の瞳しか、視界に入らなくなって…。





チン





そこへ、エレベーターの到着を告げる音が鳴った。



誰か来た…!?


と思った時にはすでに遅く、エレベータの中から背の高い男の人が降りてきた。





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