キミに恋の残業を命ずる
こんな朝早くにわたしと課長がいるのを見られたら、絶対に怪しまれる。
もう万事休す―――と思ったら。


「なんだ友樹(ともき)か。いいところを邪魔しやがって」



名前呼び?
うそ…課長と親しい人なの…?



だって、降りてきたの、服部部長ですよ?



「…裕彰?出社二日目から早いな」


どういうことだろう。
服部部長もまた遊佐課長のことを名前呼びした。

そんなおどおどしているわたしの存在に、部長が気づいた。

そして、そのわたしに壁ドンをしている課長とを見くらべて、事態に勘付いたみたいだった。


「おまえ、まさかその子に教えたのか?」

「さっすが友樹、ご名答」

「おまえなぁ…」


部長はため息をついた。
< 111 / 274 >

この作品をシェア

pagetop