キミに恋の残業を命ずる
こうして始まった、秘密の残業生活。
いったいどれほどの非情な扱いを受け、どんな無理難題を強いられるかと不安だったけれど。
実際に始まってみると、なんてことはない。
ただ退勤後に訪れて夕食を作っては一緒に食べる―――言葉のまんまの生活を繰り返すだけだった。
「お手伝いさん」と銘打たれたから掃除や洗濯もさせられるのかと思ったけど、「さすがにそれは自分でやるからいい」と言うし、朝食は夜の残り物ですませてくれるし、昼食は外食に行ってしまうし…これじゃ愛想つかした旦那によりも雑な扱いですんでるぞ!?と、正直拍子抜けしていた。
「ごちそうさまでした。今日も美味しかったよ」
「お粗末様でした」
と夕食を終えれば課長もすぐにさげてくれる。
いいですと遠慮するけど、ちゃんと洗い物も手伝ってくれる。
「じゃあ、紅茶淹れますね」
片付けを終えたあとは紅茶を飲むのが決まった食後の過ごし方。
課長はコーヒーより紅茶派だ。
ストレートからハーブティーブレンドまで…気分や時間に合わせて飲むのがお好み。
いったいどれほどの非情な扱いを受け、どんな無理難題を強いられるかと不安だったけれど。
実際に始まってみると、なんてことはない。
ただ退勤後に訪れて夕食を作っては一緒に食べる―――言葉のまんまの生活を繰り返すだけだった。
「お手伝いさん」と銘打たれたから掃除や洗濯もさせられるのかと思ったけど、「さすがにそれは自分でやるからいい」と言うし、朝食は夜の残り物ですませてくれるし、昼食は外食に行ってしまうし…これじゃ愛想つかした旦那によりも雑な扱いですんでるぞ!?と、正直拍子抜けしていた。
「ごちそうさまでした。今日も美味しかったよ」
「お粗末様でした」
と夕食を終えれば課長もすぐにさげてくれる。
いいですと遠慮するけど、ちゃんと洗い物も手伝ってくれる。
「じゃあ、紅茶淹れますね」
片付けを終えたあとは紅茶を飲むのが決まった食後の過ごし方。
課長はコーヒーより紅茶派だ。
ストレートからハーブティーブレンドまで…気分や時間に合わせて飲むのがお好み。