キミに恋の残業を命ずる
「ね、三森サン番号教えてよ。今度レシピ教えてほしいな」

「ええ…ええと…」

「早く早く教えてよ」


と、半ば強引にみんなの前で番号交換しちゃった。
「えーずるい」って声が聞こえるけれど、課長のメアドはとっくに知っているんですけどね…。


ぶん、とメールがきた。


『この程度で勘弁してやるか。
これでみんな真相にうすうす気づくと思うけど』


もう…課長ってば…。





そこへ、突然ざわりと空気が変わった。


「…おつかれさまです!」

「おつかれさまです!」


口々に聞こえる挨拶。
だれか来たみたいだった。


服部部長と並んできたのは、だれもが知るこの会社のトップ。


社長…!?
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