キミに恋の残業を命ずる
「ん…亜海?」


一時間ほどして、課長が身を起こした。

ソファではあまり快眠できなかったみたいで、寝起きの調子はあまりよくなさそうだ。


「おはよう…。親睦会終わったの?」

「はい。二時間ほど前に」


笑ってうなづいたわたしを見て課長は微笑した。


「その顔をみると大成功で終わったようだね」

「はい。課長のおかげでどうにか成功できました。課長はお仕事終わったんですか?」

「ああ。どうにかひと段落ついて、いっぱいやっていたところだ。でもさすがに寝不足がたたったみたいで居眠りしてしまった」

「ふふ。お腹は?パーティの時は話しかけられまくって食べる余裕なかったみたいですけど」

「もちろんペコペコだよ。せっかくの鍋も全然食べられなくて残念だったな。でもまぁ、今度食べさせてもらえれば」

「あの…実はですね」

「ん?」


わたしはキッチンから、鍋と小鉢を持ってきた。
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