キミに恋の残業を命ずる
2
「これ?」
彼はわたしのデスクに行くと、開いたままにしていたエクセルデータを見つめた。
「はい…。ええと…いちから数字を入力しているんですけど、どうしても時間がかかっちゃって。元の資料はデータであるからそれを利用すればいいんですけど…うまく活用できなくて…」
「ふぅん。初級以下過ぎて、驚き」
辛辣なお言葉がまたも、グサ。
「キミさ、もう少しエクセルの勉強した方がいいよ。有り得ない」
「わ、わかってます…。だから練習も兼ねて残業がんばってたんです」
「ま、見た感じ新卒だろうから、そう簡単に使いこなせないのもしょうがないだろうけどさ。こういう時はさ、こうすればいいよ」
と言いながら、彼はキーボードに手をかけた。
しゃくだけど、どうやってやるのか見て覚えなきゃ。昨日はほとんど寝惚けてたし…って、
計算式、手入力…!?
彼はキーボードの上で長い指を素早く動かすと、次々とセルに英数字を入力していった。
普段使わない計算式を組み合わせて、応用に応用をきかせているみたいだ。ど素人のわたしには、もう暗号文みたいにしか見えない…。
彼はわたしのデスクに行くと、開いたままにしていたエクセルデータを見つめた。
「はい…。ええと…いちから数字を入力しているんですけど、どうしても時間がかかっちゃって。元の資料はデータであるからそれを利用すればいいんですけど…うまく活用できなくて…」
「ふぅん。初級以下過ぎて、驚き」
辛辣なお言葉がまたも、グサ。
「キミさ、もう少しエクセルの勉強した方がいいよ。有り得ない」
「わ、わかってます…。だから練習も兼ねて残業がんばってたんです」
「ま、見た感じ新卒だろうから、そう簡単に使いこなせないのもしょうがないだろうけどさ。こういう時はさ、こうすればいいよ」
と言いながら、彼はキーボードに手をかけた。
しゃくだけど、どうやってやるのか見て覚えなきゃ。昨日はほとんど寝惚けてたし…って、
計算式、手入力…!?
彼はキーボードの上で長い指を素早く動かすと、次々とセルに英数字を入力していった。
普段使わない計算式を組み合わせて、応用に応用をきかせているみたいだ。ど素人のわたしには、もう暗号文みたいにしか見えない…。