キミに恋の残業を命ずる
一気にざわめくラウンジ内。
「えー…どういう、こと…?」
「え?え?じゃああの動画はなんだったの?」
わたしも信じられなかった。
でもたしかに裕彰さんは座ったままで…立っているのは服部部長だ。
なにより…部長の横で照れるように視線を下に向ける亜依子さんの微笑に、偽りなどはみじんも感じなかった。
社長は再び口を開いた。
「娘と服部君の交流は実は長く、二人が大学生の頃から始まる。この度の吉事によって、二人が絆をいっそう強め、社を二人三脚で担ってもらいたいと思っている。
よって、来月より服部君には専務の任についてもらい、より社の中心に近い部分にたって経営について研鑽を高めてもらいたいと思っている」
それはつまり、ゆくゆくは服部部長が社長になる、ということを示唆していた。
有能なトップの誕生を喜ばない社員はいなかった。一斉に拍手が鳴り響いて、誰もが服部部長と亜依子さんの婚約を真実と受け入れた。
その割れんばかりの音に背中を押されるように、わたしも真実を受け入れざるをえなかった。
「えー…どういう、こと…?」
「え?え?じゃああの動画はなんだったの?」
わたしも信じられなかった。
でもたしかに裕彰さんは座ったままで…立っているのは服部部長だ。
なにより…部長の横で照れるように視線を下に向ける亜依子さんの微笑に、偽りなどはみじんも感じなかった。
社長は再び口を開いた。
「娘と服部君の交流は実は長く、二人が大学生の頃から始まる。この度の吉事によって、二人が絆をいっそう強め、社を二人三脚で担ってもらいたいと思っている。
よって、来月より服部君には専務の任についてもらい、より社の中心に近い部分にたって経営について研鑽を高めてもらいたいと思っている」
それはつまり、ゆくゆくは服部部長が社長になる、ということを示唆していた。
有能なトップの誕生を喜ばない社員はいなかった。一斉に拍手が鳴り響いて、誰もが服部部長と亜依子さんの婚約を真実と受け入れた。
その割れんばかりの音に背中を押されるように、わたしも真実を受け入れざるをえなかった。