キミに恋の残業を命ずる
ちなみに、あの部屋は結婚したら出ることにしていた。
すごく便利なんだけれど、子供ができたらさすがにね…。
あの部屋はキッチンや水道設備を残したまま、社員のための残業時の宿泊場にすることにしていた。
だって我が社はこれからどんどん忙しくなって、どんなに有能に働いても残業で遅くなるのは必至だからだ。
と言っても、今時点で一番忙しいのは、新部署の組織編成と人材採用計画に追われている裕彰さんだから、結局あの部屋に帰りがちになるんだろう。
かわいそうだから、その時はわたしもお付き合いして泊まることにしている。
あともうひとつちなみにを言うと、田中さんはその後会社を退職した。
女王様がいなくなった総務部はあいかわらずマイペースだけれど、入ったばかりの新人さんは今のところ辞めずにいるみたい。