キミに恋の残業を命ずる



そういうめまぐるしい変化の中時間を割いて、やっと今回課長と故郷へ赴くことができた。


両親へはこっちに来てもらった会ったけど、実家に一緒に行くのはこれが初めてだった。


まだ雪が残っている時期に帰れてよかった。



と思っていたけど。



「けっこう溶けちゃってますね、雪」

「そりゃ春だもの」


季節は4月。
いつもならまだ残っているはずの雪は、温かい日が続いたせいかほとんど溶けて、アスファルトがあちこち剥き出しになっていた。


でもこれなら安全だ、ということで、実家へはレンタカーを借りて行くことにした。
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