キミに恋の残業を命ずる
わたしたちの目の前で、扉は今、開かれようとしていた。





「緊張してる?」

「ううん…」

「って、もう泣きそうだけど?」



そういう裕彰さんだって…と言いかけて、微笑んだ。

そして、手を握り続けてくれる彼の手を―――この先、最期の時が二人を分かつまでけして離さない手を、わたしは強く強く握りしめた。



まばゆい陽光を受け入れて、扉はゆっくりと開いた。

鮮やかな花々と、たくさんの大切な人たちに囲まれて、バージンロードは長く長く続いていた。











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