キミに恋の残業を命ずる
なら時間をとらせて悪いことをしてしまった…。
そう言えば、小腹すいてたんだ。
騒いだせいで、かなり減ってきたなぁ…。
「行きつけの店が近くにあるんだけど、よかったらい」
「それなら、おにぎり食べませんか?」
「え?」
「わたし今日お夜食持って来てたんです。実はいつ残業になってもいいように、最近はちょっとした軽食を持ってくるようにしていて…情けない話ですけど……って、あれ?」
課長、笑ってる?
吹き出しそうなのをこらえるように、肩を震わせている。
「ど、どうしたんですか?」
「魔法、妖精ときて次はこれかぁ。キミって天然って言われない?」
「て、天然…!?…ボケ子っては、先輩によく怒られますけど…」
ああ!もっと笑いだした!
しかも涙まで浮かべて!
「わ、わたし、そんな変なこと言いました!?」
「うん。…まぁじゃあいいよ。お言葉に甘えて今日はおにぎりをいただこうかな。キミの手作り?」
「はい。家に帰ったら夕飯はこれにしてスープでも作って終わりにしようかと思ってたんですけど…夜も遅いしおにぎり二個はちょっと多いなって思ってたんです。ちょうどよかったぁ。ありがとうございます」
「はぁ、まぁ…こちらこそどうも…ぷぷ」