キミに恋の残業を命ずる
仕事中でも、総務部では、遊佐課長の話題で持ちきりだった。


無理もないのかな。
社内に恋愛対象皆無と見限って合コン三昧だったところに、不細工と決めつけていた「幻の課長」が超イケメンだったって急展開が起きたんだから。



先輩たちとはちがった意味で、わたしの心中もまた穏やかではなかった。


というか、もう暴風吹き荒れていた…。


あの遊佐課長が、まさかあの「幻の課長」だったなんて…。

これで、昨晩感じた謎が一気に解けた。探偵ドラマで言うところの「すべてのピースがうまった!」状態。


課長はついこの間までアメリカに長期出張していて、次に発表するソフトを開発するかたわら、ソフトウェア開発先進国のアメリカで最新のプログラミング技術を習得していたそうだ。
そしてこの度その任を終えたので、帰国して本社勤務となった―――というのが、朝の発表と飛び交うウワサを足した見解。


ここからがわたしの推測。
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