キミに恋の残業を命ずる
「作れるといっても、ほんとにたいしたものではないんです…。家庭料理程度でお洒落なバーやレストランで出されるものなんてそんな…」
「そんなもの求めていないよ。俺が食べたいのは、その家庭料理だから。よし、じゃあこれからついてきてほしい場所があるんだけど」
「え…?どこですか?」
「俺のオフィス」
「オフィスって…オフィスはここじゃ…」
戸惑うわたしをよそに、課長は部屋の奥へと進んだ。なにをするのかと目を凝らすと、奥にはもうひとつドアがついているのが見えた。
…非常口かなにかかな。
課長がポケットから出したカードキーをかざすとセンサーが鳴った。
押し開けると、課長がぴしゃりと強い調子で言ってきた。
「早くおいで」
拒否なんかできない口調に、わたしは仕方がなく足を進ませる。
課長が開いたドアの奥は、来た道よりもさらに真っ暗で、まるで白壁の中にぽっかりと空いた穴のようだった。
「怖くないよ。さ、行くよ」
「あっ…」
手を握られて強く引かれた。
不安に胸をいっぱいにさせて、わたしは課長の後をついて、暗闇の中へ進んだ。
夢だと思っていた不思議な出会いには、まだまだ続きがありそうだった…。
「そんなもの求めていないよ。俺が食べたいのは、その家庭料理だから。よし、じゃあこれからついてきてほしい場所があるんだけど」
「え…?どこですか?」
「俺のオフィス」
「オフィスって…オフィスはここじゃ…」
戸惑うわたしをよそに、課長は部屋の奥へと進んだ。なにをするのかと目を凝らすと、奥にはもうひとつドアがついているのが見えた。
…非常口かなにかかな。
課長がポケットから出したカードキーをかざすとセンサーが鳴った。
押し開けると、課長がぴしゃりと強い調子で言ってきた。
「早くおいで」
拒否なんかできない口調に、わたしは仕方がなく足を進ませる。
課長が開いたドアの奥は、来た道よりもさらに真っ暗で、まるで白壁の中にぽっかりと空いた穴のようだった。
「怖くないよ。さ、行くよ」
「あっ…」
手を握られて強く引かれた。
不安に胸をいっぱいにさせて、わたしは課長の後をついて、暗闇の中へ進んだ。
夢だと思っていた不思議な出会いには、まだまだ続きがありそうだった…。